おいしさのはじまりは畑から。都農町の、シルクスイートとジャンボ落花生

おいしい野菜や果物が豊富に揃う人口1万人の町、都農町。たくさんの方に、農の都「都農町」を知ってもらいたい思いから、東京で活躍中の料理家今井真実さんとコラボレーションし、毎月オンラインで料理教室を開催しています。

9/18(土)に開催の料理教室のメニューは「シルクスイート(さつまいも)と秋鮭の月見グラタン」と「茹で落花生の中華風 煮豆」。食材を提供いただく農家さんへ伺い、お話を聞いてきました。

オンライン料理教室のお申し込みはこちら:https://bunmei8.peatix.com

忙しいけどそれが面白い。美味しいものだけを作るこだわりの農業

鍬を使い力強く土を掘り起こすと、土の中から顔を出したのは赤紫色のさつまいも。その色の鮮やかさに「わあ、綺麗な色ー!」と、思わず声があがります。

この日、取材に伺ったのは、都農町の農家、濱渦靖浩(はまうずやすひろ)さんの畑。『自分の美味しいと思った物だけを』と、こだわりの農業を続ける濱渦さん。さつまいものほかに、ジャンボ落花生、自然薯や里芋、生姜に蕎麦など一年通してさまざまな野菜を作っているのだそうです。

ーー農業を始めて何年くらいですか?

「自分では、家庭菜園のつもりではじめて、今でもそのつもりでやってるんやけど。退職して丸5年くらいかな。それまで自然薯や蕎麦はしていたけど、芋とかは退職してから。」

もともと実家は農業をしていたので、小さな頃から手伝いをしていたのだそうです。その頃は、親から押し付けられて嫌々やっていた農業も、自分でするようになってからは逆に楽しくなったのだとか。

ー毎日、忙しくて休む暇がないのでは?

「そうね。勤めている時には土日休みだったけどね。退職してからは休みはないけど、でもその方がかえって面白くてくていいかな。じっくり休みが取れた時なんかは、旅行したりもするんだけどね。」

この日も朝の3時半から選別や収穫などの作業をしていた濱渦さん。しかも、ほとんどの作業を1人でされているのだそうです。そのパワフルさに驚き!しかも、今年、古希を迎えられると聞き、さらにびっくりしました!

じっくり味わいたい、甘さ広がるシルクスイート

濱渦さんの畑では、シルクスイート・紅はるか・スイート黄金の3種類を栽培しています。その中でも一番多く植えているのが、人気の高いシルクスイート。2012年から出始めたまだ新しい品種で、甘さと滑らかな食感が特徴です。濱渦さんも、その甘さと美味しさを気に入り、現在、栽培している90%以上がシルクスイートなのだそう。

どの野菜も、違う品種を作ってみるけれど、やはり作り続けるのは、自分が美味しいと思ったものや気に入ったもの。ここにも、濱渦さんのこだわりが感じられます。

奥様がシルクスイートを圧力鍋で蒸したものを準備してくださっていました。試食させていただくと、口の中に甘さが広がり、食感はしっとりとして舌触りが滑らか。普段、我が家では大学芋や天ぷらなど料理する事がほとんど。いつもとは違う、さつまいも本来の美味しさを楽しめました。

圧力鍋で蒸してもとても美味しいですが、濱渦さんの1番のおすすめは焼き芋なのだとか。バーベキューをする時には、じっくりと焼いて、その美味しさを楽しむのだそうです。どのような食感や味わいになるのか、ぜひ試してみたくなりました。

食べ出したら止まらない、食感がやみつきジャンボ落花生

「ずっと昔はブドウ畑だった。」と案内していただいたのは、あと10日ほどで収穫を迎えるジャンボ落花生の畑です。ふかふかの土の中から出てきたのは、根にたくさん付いた落花生たち。ジャンボ落花生を知らなかった私は、その大きさにびっくり!殻はもちろん中の実も大きくぎっしりと詰まっています。

落花生の生産地といえば千葉県が生産量1位として有名ですが、濱渦さんは、数年前に知り合いから種をわけてもらい、ジャンボ落花生の栽培を開始。道の駅などに出し始めたころはわずかだった生産者も、少しずつ増えてきたのだそうです。

「これ食べてみて。」と出していただいたのは、殻ごと茹でたものと、実だけを炒ったもの2種類のジャンボ落花生。食べ比べてみると、食感の違いにびっくり。茹でたものは実がホクホクしていて甘さとコクがあり、止まらないおいしさ。炒ったものは、とても香ばしく、薄皮の苦みも全くありません。そして、カリッカリッとした食感がたまらない!茹でたものとはまた違った甘みが口の中に広がります。どちらも、焼酎やビールとの相性抜群の一品。これは、ぜひお酒と一緒に味わってみたくなりますね。

農業は喜びのひとつ。美味しい!の声が元気の秘訣

ーーこれから育ててみたいものはありますか?

「今はね、これを育ててみたいと思う物はないね。もちろん、面白いのがあったら作るかもしれないだろうけど・・。今年は、今植えている落花生の特徴を活かして、製品化もやってみようかなと思ってる。なにより、同じ作るなら上手く製品になる様に作りたいね。」

ーー濱渦さんにとって農業はどんな存在ですか?

「喜びのひとつよね。いろんな人に美味しい、美味しい!って食べてもらうのが嬉しいわね。けど、「いつまでも働くばっかりで楽しみがないがね。」って言われるから、75までしたら縮小して旅行したりしにいこうねって話してるんだけど。それまでは(農家)やって、人に喜んでもらいながら自分も楽しいし、収入にもなるし・・面白いなって思ってしてる。ゴルフやらにいっちょるよりか面白いね(笑)」

台風や塩害などで不作の時は落ち込んだりしないですか‥?の問いかけに「落ち込まない!」と即答の濱渦さん。失敗も想定内、落ち込んでてもしょうがないと語るそのポジティブさが、楽しみながら元気に農業を続けている秘訣なのかもしれません。話をしているだけでたくさんの元気をいただけた、とても素敵なひとときとなりました。

次回の料理教室は9/18(土)に開催です。秋らしい風が心地よい季節にピッタリの、秋の味覚と秋の風物詩「お月見」の夜に味わいたい、おすすめのレシピを今井真実先生に教えていただきます。濱渦さんの作ったシルクスイートとジャンボ落花生をみなさんにお届けします。お楽しみに!

<9/18 「農の都の、美味しい食卓」都農町オンライン料理教室>

・日時

9/18(土) 10時〜

・メニュー

シルクスイート(さつまいも)と秋鮭の月見グラタン

茹で落花生の中華風 煮豆

・お申し込み

こちらから:https://bunmei8.peatix.com/

・人物紹介

さつまいも・ジャンボ落花生農家 濱渦靖浩(はまうずやすひろ)さん(写真右)

宮崎県都農町(都農町)の農家さん。自分が美味しいと思ったものだけを作り、たくさんの人に「美味しい!」と食べてもらうことが一番の喜び。何種類もの野菜を1人で作り続けている、とてもパワフルな方。

インタビュー 古吉裕子(写真左)

都農町在住のママさんライター。3歳児と1歳児の母親。子どもの成長を見ることと、こっそり食べる甘味に最高の幸せを感じる。

ライティング 押川真由

都農町のとなり、川南町在住のママライター。中学2年生、小学6年生、2歳児の3人の育児に奮闘中。好きな食べ物は、チキン南蛮。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!